第二種電気工事士筆記試験で2022年度上期で出題された器具の裏側配線が正しいのはどれ?
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第二種電気工事士筆記試験で2022年度上期で出題された器具の裏側配線が正しいのはどれ?
2022年度の筆記試験では技能試験でも出題されている器具の裏側配線でどれが正しいのかを選ぶ問題が出ました。
これは配線図問題の中で写真付きで選ぶ問題です。
出題された配線図は
出題問題は⑯で示す部分の配線を器具の裏側から見たものである。正しいものは?
ただし、電線の色別は、白色が電源からの接地側電線、黒色は電源からの非接地側電線、赤色は負荷に結線する電線とするというものです。
器具の配線が電線の色別と共に正しいかを分析してみる
まずはイの写真から配線を分析です.
上がスイッチ、下がコンセントの取付です。
非接地側電線の黒色はスイッチと渡り線でコンセント部分に差し込まれています。
接地側電線の白線がコンセントのWの部分に差し込まれています。
ここからスイッチを入れない状態であれば、コンセントは機能しています。
ではスイッチを入れるとどうなるでしょうか?
コンセントのW側からスイッチ側に黒の渡りが1本差し込まれています。なのでスイッチを入れたとたん、ショートした状態になりブレーカーが飛びます。
つまり非接地側電線と接地側電線をスイッチで短絡させる配線となっています。
ブレーカーを設置して実験したいところですがやめときます。
この配線は間違いです。
では次にロの結線を見てみましょう。
イと同じく非接地側電線の黒はスイッチと渡りでコンセントに配線されています。
接地側電線の白線はスイッチと渡りでコンセントのWに入っています。
イと同じくスイッチを入れない状態ではコンセントは機能しています。
ではスイッチを入れるとどうなりますか?
同じくショートします。ブレーカーが飛びます。この配線も接地側電線の白線と非接地側電線の黒色がスイッチに入っているため短絡する状態となっています。
赤線はコンセントのW側にはいれません。
従ってロの配線も間違いです。
ハの結線はどうでしょうか?
ハの非接地側電線の黒色と渡りの黒色はイ、ロと同じく配線されています。
接地側電線の白線もコンセントのWの部分に差し込まれています。
イ、ロと同じくコンセントは機能しています。
スイッチを入れると
非接地側電線から負荷の赤色に電気が流れ負荷が点灯します。
ハが正しい答えです。
ではニについても分析してみましょう
ニの配線の非接地側電線から見ていきましょう。スイッチに入ってから黒の渡りでコンセントのW側に入れています。
コンセントWには常に接地側電線の白線が入ることが決まりです。
この状態ではコンセントも機能していません。
負荷に行くはずの赤線がコンセントに入っていますので負荷が点灯することはありません。
接地側電線の白線がスイッチに入っています。
スイッチを入れるとどうなりますか?
この配線もスイッチによって短絡させた状態になりブレーカーが飛びます。
この配線も間違いです。
技能試験でもこのスイッチとコンセントの組み合わせが出ます。
公表されている技能試験の問題にも4番、11番、12番にもこのスイッチとコンセントの組み合わせがあります。
裏側から見た状態で複線図を書くとこうなります。
⑯で示す部分を四角で囲ってあります。
接地側電線の白線はスイッチには結線しないと覚えましょう。
非接地側電線の黒色はスイッチとコンセントにつなぐと覚えます。
スイッチの反対側から負荷につなぐという手順で複線図を書ければ正しい答えを選択できます。複線図を書くときには器具の裏側を意識して書くと技能の時にも役立ちます。