第二種電気工事士技能試験|不合格になりやすい欠陥例ワースト3

 

これはECQの技能講習会で多くの方が経験した欠陥をもとにランキングを決めてみました。

ワースト1 リングスリーブ圧着マーク

電気工事士技能欠陥

まず誰もが注意していないとやってしまう圧着での刻印間違い

どの部分の刻印間違いが多いのか

1番は太さ2mmと1.6mmの2本圧着の刻印です。正解は「小」マーク

しかしながら、この部分を「〇」で刻印してしまうことにより欠陥となってしまう。1.6mm2本は「〇」を刻印しなければなりません。1.6mm2本の接続箇所はけっこうあるため「〇」で打つことに慣れてくると2mmが加わった2本圧着も「〇」で圧着してしまうのです。そんな間違いをすることなんてあるの?これには思い込みというやっかいなものが関係しています。

思い込みは敵

作業に慣れてくると問題作成の時間が短縮してくるのだが、いざ、結線、接続の段階になると勢いで圧着してしまいがち。その中で「小」で刻印したという思い込みがあり、確認なしでどんどんいってしまう。

どんな対策があるのか

圧着する時点で声出し確認をするぶつぶつ言っていてほかの人の邪魔にならないのか?なんて思う必要はありません。実際の試験では人の声よりも作業している音のほうが大きいので声なんて聞こえないと思ってください。

電源線がかかわるところは要注意2種の問題では電源線はほぼ太さ2mmが指定されています。電源線部分の圧着に「〇」はないと考えていいでしょう。ですが、来年度の問題に電源線に1.6が使用されないとも限りませんから確認することは大事です。

刻印間違いの2番目は 「〇」で圧着するべきところを「小」で圧着してしまうこと。

この間違いは問題作成の初期のころが多い。まだ慣れていないので「小」と「〇」の部分が工具のどの部分かつかみにくい時に起きます。

「小」で刻印したときはリングスリーブの上から打ち直しができる。「〇」のほうが径が小さいので「〇」の部分を使って再度圧着します。このときに注意しないといけないのは、圧着ペンチの突起側とくぼみ側をはじめに刻印したスリーブの形に合わせることです。そうしないと両潰状態になり刻印そのものが分からなくなります。

ワースト2 引掛けシーリング台座

引掛けシーリング欠陥

台座から被覆が見えている状態

講習会ではよくやってしまう引掛けシーリングの接続です。以前では軽欠陥として扱われていましたが、29年度からは欠陥となります。

つまり、欠陥として扱われるのは台座の端から絶縁被覆が出ていてはいけないということ。(5ミリ以内であれば欠陥とはみなされない)

講習ではこの点に気を付けるよう施工段階で指摘しております。しかしながら何問か作成しているうちに写真のような接続の仕方に変わってしまうことがあります。

角形引掛けシーリングでは修正されても丸形引掛けシーリングではさらにこの台座からの被覆の露出が目立って多くなります。

対策として何ができるか

どの状態が欠陥かを始めの段階で覚えこんでおく。欠陥なのかこれくらいはいいんでは?というあいまいな覚え方では欠陥として扱われ、不合格になっても気づかないことでしょう。

独学では客観的に見れないのでやはり間違っていてもそのままいってしまう可能性があります。

どの欠陥についてもいえることですが、欠陥チェックリストを作っておいて出来上がり後、ひとつづつチェックしていく癖をつけるのもいいでしょう。

ワースト3 渡り線

渡線欠陥

渡り線の色違い

渡り線とは、埋め込み器具等において器具間に渡す電線のこと。

欠陥例として多いのは非接地側電線の渡り線を黒以外で使用してしまうこと。確かに電流はきちんと流れ、スイッチを入れればきちんと作動します。だから別に構わないと思わないでください。試験的には欠陥です。

これは施工条件において接地側電線はすべて白色を使用し、接地側電線はすべて黒を使用することが指定されているからです。

渡り線が足らなくなったりするとあえて白色を使ってしまう人がいますが、欠陥であることを自覚しておく必要があります。

第二種電気工事士技能|渡線(わたり)について

渡り線を入れ忘れる

渡り線を接続する作業の段階で、渡り線を後回しにすると時間が迫ってきた状況で忘れてしまうことがある。

また、後回しではなく渡り線を忘れて次の作業に移ってしまい、問題を作り終えた時点で、完成したものとしてチェックを忘れる。

たまにあることとして、渡り線が2本いる場合があっても1本で終わってしまうこともある。

対策としては

渡り線は「わすれ線」と覚えて忘れやすいので埋め込み器具があり渡り線が必要な作業は後回しにしないこと。

埋め込み器具が1つの場合以外は渡り線がいることを意識すること。

 

以前は重大欠陥と呼ばれていたものは、かなり神経を使い欠陥をなくすことに注意が行くので欠陥をなくす努力がされていますが、軽欠陥なるものが無くなった以上、より欠陥に対する意識が必要です。

ここではワースト3とさせていただきましたが、個人の性格によりこの3つが当てはまらない方もおられます。個人の性格も万別で慎重な人、せっかちな人、焦り感が強い人、あわてんぼうの人などなどいます。

ご自分の性格を知りつつ、どこがつまづきやすいのか、何度も同じ間違いをするのかを作業の繰り返しと共に考えていけば合格に近づいていきます。性格のせいで不合格になることはありません。

本人も気づきにくい欠陥例3つ

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